令和3年1月5日(火)  目次へ  前回に戻る

おまえたちも風ぐらい呼べるいいのダガな。

何にもしたくないというか、できない。責任も負えない。

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古代に「陽燧」という器械がありました。諸説あるのですが、凹面の金属鏡で、太陽の光を一点に集めてもぐさなどに火をつけるものであったというのが有力です。また、「方諸」というものがあって、こちらもハマグリだという説もあるのですが、熱伝導力の大きな金属製の器で、夜間に冷えたときに大気中の水分を付属の皿に集め、これを「月の露」であると称していたそうです。

陽燧見日則燃而為火、方諸見月則津而為水。

陽燧日を見ば燃して火を為し、方諸月を見ば津して水と為る。

「陽燧」を太陽にかざすと、燃えて火を作り出す。「方諸」を月に照らすと、湿って水を集める。

このように、自然法則を生かせば、エネルギーや物質を取り出すことができる。

また、

虎嘯而谷風至、龍挙而景雲属。

虎嘯きて谷風至り、龍挙がりて景雲属す。

トラが長く吠えると谷から風が吹き出す。龍が空に昇ると色のついた雲が後を追っていく。

というのも自然法則である。

麒麟闘而日月食、鯨魚死而彗星出。

麒麟闘いて日月食し、鯨魚死して彗星出づ。

キリンが闘うと日食・月食が起こり、クジラが死ぬと空にほうき星が現れる。

「へー、そうなんだ、知らなかったなあ」という人も多いかと思いますが、これも全部、Aが起こればBが起こるという法則関係にある。

蠶珥糸而商弦絶。

蚕、糸を珥して商弦絶す。

カイコが透き通って、体外から糸が見えるようになって(まもなく新しい絹糸が製せられる時期になると)、琴の中で、「商」の音を出す弦が切れる。

「商」の音は一番清らかで、弦の震えが鋭いことから、一番最初に弱るのだそうで、それが切れるのはちょうどカイコが新しい糸を吐き出すことになる・・・という我々から見ると不思議なんだけど、古代の人からみると当たり前の「法則」を述べています。

賁星墜而渤海決。

賁星墜ちて渤海決す。

「賁星」は「耀く星」で、超新星や隕石のことです。

隕石が落ちると、東北方の渤海の海に津波が起こり、海辺の堤が決壊する。

他のところに落ちることはあまりないのでしょう。

そして、最後の法則は、

人主之情、上通于天。

人主の情、天に上通す。

人間界の君主のキモチは、宇宙に通じる。

宇宙に通じて、いろんな災害を止めたり起こしたりすることになるそうなんです。

君主のキモチは何かを動かしてしまうものなんですよ。

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「淮南子」巻三「天文訓」より。「君主」はゲンダイ日本では「主権者」たるみなさんのことですよ。次の世代から「こんな世の中にしやがって!」と怒られるのは我々なんです。ああヤだなあ。責任負えないのになあ。

 

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