令和3年3月1日(月)  目次へ  前回に戻る

「とら山賊」よりコワいトラがいるのである。

また平日。無味乾燥の日々である。

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昨日はオモシロい(と思ったんですが・・・)お話をしました。今日はまた平日になったので、無味乾燥の説教である。

君子之居民上―――

君子の民の上に居るは―――

ひとの上に立っている、とはどういう状態かお分かりか。

以下のうちから選択してみましょう。

@  若以腐索御奔馬。

腐索を以て奔馬を御するがごとし。

腐って切れそうになった手綱をつかんで、荒れ狂う馬の背中に乗っているような状態じゃ。

まもなく切れて、振り落とされ、そして踏みつけられるであろう。

A  若蹍薄氷蛟在下。

薄氷を蹍(ふ)むに、蛟の下に在るがごとし。

薄氷の上を歩いているのだが、その氷の下には水龍がいるような状態じゃ。

おまえさんが抜き足差し足で薄氷を踏み破らないように注意していても、水龍が突然氷を破って動き出すかも知れない。

B  若入林而遇乳虎。

林に入りて乳虎と遇うがごとし。

「乳虎」は「お乳を飲んでいるようなかわいい子トラちゃん」ではありません。妊娠中の、最も猛々しい状態の牝トラのことだ。

林の中に入って行ったところ、突然、どう猛な孕み虎と出会ったような状態じゃ。

逃げ出すこともできないのだ。絶望的な抵抗をするか、諦めておとなしく食い殺されるか、の選択肢しかないのである。

・・・ということで、どれを取っても絶望的、逃げ出せない状態になりますから、人の上に立つのは止めておきましょう。

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「淮南子」巻十七「説林訓」より。「説林」とは、役に立つお話(「説」)が林の中の木のようにたくさんある状態、だそうです。このお話もいいお話だなあ。ようく噛みしめて味わってみてくだされ。味わえない人は「味覚障害」かも知れません。

 

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