令和3年7月26日(月)  目次へ  前回に戻る

マジメに量っていくと逆に正解に至らない、のが現世の計算でぶー。

これ(本を増やさない2 )を読んで

「いったいどこのどいつだ、ダメなやつだなあ」

と思い・・・かけましたが、なんとここには昔の肝冷斎が引用されているではありませんか。オリンピック開会式問題以来、過去の言行が問題にされる風潮がありますが、なんと岡本全勝さんまで過去の肝冷斎を問題に!?

ちなみに肝冷斎はその後もぎりぎり暮らせるスペースは確保しております。そうだ、今日は「ぎりぎり」の話をしてみましょう。

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晋の范宣は字・宣子、河南・陳留のひと、長じて予章に棲む。

人となり潔行廉約(潔癖な行動をし、質素で倹約家)。予章太守の韓伯が、その清貧を見かねて、

遺絹百匹、不受。

絹百匹を遺(おく)るも、受けず。

絹を百匹贈ったが、受け取らなかった。

一匹=40尺、当時の一尺≒24センチなので、えーと、えーと・・・10メートルぐらいですかね。百匹だと、えーと、・・・かなりの分量になるかと思います。絹布は貨幣がわりに使われてましたから、人件費が安かったと考えて一匹を1万円とすると100万円ぐらいです。

そこで、

減五十匹、復不受。如是減半、遂至一匹、既終不受。

五十匹を減ずるも、また受けず。かくの如く半を減じて遂に一匹に至るも、既に終(つい)に受けず。

五十匹に減らしてみたが、やはり受け取らなかった。このようにして半分づつ減らしていって、一匹になるまで減らしても、とうとう受け取らなかった。

あれ?→ 

韓、後与范同載、就車中裂二丈、与范、云、人寧可使婦無褌邪。

韓、後に范と同載するに、車中に就(つ)いて二丈を裂きて、范に与え、云う「人なんぞ婦をして褌(こん)無からしむべけんや」と。

一丈=10尺、2.4メートルぐらい。したがって、二丈≒5メートルで、一匹のさらに半分です。さっきの計算だと5000円ぐらい。

その後、韓太守は范宣と同じ牛車に乗る機会があり、車中でやおら絹を取り出すと、それを半分に裂いて、二丈を范に与えて、言った。

「女房にさるまたを穿かしてやらない男、はありえんだろう」

と。

女房にパンツをはかしてやれれば、男としてぎりぎり大丈夫だ、という考え方のようです。

范笑而受之。

范、笑いてこれを受く。

范宣は笑ってそれを受け取った。

ゲンダイの公務員倫理法だと5000円以上の贈答は上司に報告する必要があるので、こちらもぎりぎりですね。

しかし、仕官のことについては、とうとう誰に勧められても受けなかったということである。

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「世説新語」徳行第一より。当時の女性の下着が腰巻型ではなくパンツ型であることがわかりました。5メートルも使うんですね。

※:100÷2=50、50÷2=25、25÷2=12.5、・・・・と割っていくと、1.55125、0.775625にはなっても「1」になることがないような気がしませんか? あんまり計算自信ないけど。

 

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